病を抱えながら生活する人々にとって、退院後の健康管理がその後の経過を左右します。
特に、患者さんと最も長い時間を共に過ごす看護師には、単に医療処置を行うだけでなく、生活そのものをより良い方向へ導く関わりが求められます。
退院後も自発的に健康増進に取り組んでもらうためには、一方的な指示ではなく、相手の心に響く健康指導のアプローチが不可欠です。
健康指導を行ううえで気を付けてほしいのが、一方的に正しい知識を詰め込む教育者にならないこと。
教育者として色々助言されても、患者さんは話を聞く気になれないからです。
相手の心を動かすためには、同じ目線で寄り添うカウンセリングの意識を持つことが大切になります。
相手の生活習慣を変えるのは簡単ではありません。
まずは相手がどのような生活を送り、何に困っているのかを丁寧に聞き出し、その人の価値観やライフスタイルを十分に理解することから始めましょう。
対話を通じて信頼関係を築き、相手が心の奥で「変わりたい」と思っているポイントを一緒に探り当てることができれば、持続可能な健康習慣が見つかりやすくなります。
そのうえで、日々の生活の中で実践できる具体的なアドバイスを、相手が受け入れやすいタイミングで提供しましょう。
急に高すぎる目標を設定するのではなく、「まずは毎食後にコップ1杯の水を飲む」「散歩の時間を5分だけ増やす」といった、今日から始められる小さな一歩を提案するのがベターです。
その後、できたことに対しては一緒に喜び、小さな変化をしっかりと認めることが、本人のモチベーションを高めるコツとなります。
このような心強い伴走者となることで、消極的だった患者さんも、次第に自分の健康に対して前向きに取り組んでくれるようになるはずです。
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